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Vol.08 お店を拠点に、目指すこと Vol.08 | 2026.5.23 配信

お店を拠点に、目指すこと

ゲスト:蔵人 - kuroudo 1974 - オーナー・佐藤玲奈さん

今回は初めて、枯淡珈琲を離れて収録しました。有名店から独立し、お店を営むふたりが、その経緯とこれからについてじっくり語ります。

■ B-Side NOTES ・FM NORTHWAVE DJ・ちゃぼちゃんと、「RITARU COFFEE CAMELLIA」へ

※ Spotifyアカウントなしでも30秒お試し再生できます。続きは各プラットフォームで。

書き起こし

Vol.8「お店を拠点に、目指すこと」本編の会話を、読みやすく編集してお届けします。(聞き手:鈴木謙太郎/川筋愛友、ゲスト:佐藤玲奈)

ゲスト・佐藤玲奈さん/蔵人という店

鈴木

今日はいつもと違う場所、北2条西13丁目、道立近代美術館のすぐそばにある「蔵人 - kuroudo 1974 - coffee roastery & stand」からお届けしています。オーナーの佐藤玲奈さんをお迎えしています。お父様が1974年に始められたお店なんですよね。

佐藤

始まりはすすきので、父の実家を改装して。その後、山鼻に移って豆の販売をしていて、去年の7月に今の場所に移転しました。焙煎機は山鼻の店から運んできたもので、もう20年くらい使っています。分解して、エレベーターで台車に乗せて運んで、組み立ててもらって。

鈴木

店内が明るくて、川筋さんのお店とは真逆で。壁やカウンターも作られたと聞いて驚きました。アートや彫刻もあって。

佐藤

彫刻は主人の作品で、絵は私が描いたものです。コーヒーのパッケージも、自分で描いたものをコラージュしてラベルにしています。イギリス文化と日本文化を融合させたお店にしたくて。

ロンドンの5年間

鈴木

ミンガスコーヒーに入る前、ロンドンにいらしたんですよね。

佐藤

5年間いました。東ロンドンの運河沿いの、ロケーションのいいカフェで、ほとんどの期間を働いていて。ダルストンやハガーストン、ベスナルグリーンといったエリアに住んでいて、アーティストや音楽をやっている人が多くて。当日まで場所が分からない、メールで連絡が来てその場所に行くとクラブになっている、みたいなベースメント文化があって、毎週のように行っていました。

鈴木

ロンドンって、びっくりするくらい紅茶屋がないですよね。コーヒーばかりで。

佐藤

コーヒーのほうがストリート感があって、身近なんです。イギリスは階級社会で、紅茶のお店は上品で敷居が高い感じ。カフェは、人気店だと居酒屋みたいな声量で、音楽もガンガンで、すごくライブリーで。日本に帰ってくると、ああいう雰囲気のカフェが恋しくなりました。日本のカフェは、静かに過ごしたり本を読んだり、あり方が違うので。

なぜ独立を選んだか

佐藤

ロンドンにいた頃、実家から持っていったコーヒーを飲んで「やっぱりうちのコーヒー美味しい」と思って。手前味噌ですけど。このコーヒーを絶やさず残していきたいという思いが自然と芽生えたのが、継ごうと思ったきっかけです。帰ってきてから、友達の紹介でミンガスコーヒーのオーナー・川手さんと出会って、系列店で一緒にビールを飲みながら話しているうちに「うちで働く?」となって。

鈴木

川筋さんも森彦の店長でしたよね。有名店出身の二人が、独立を選んだ。

川筋

森彦は、市川さんが独立する人をかなり応援してくれる会社で。森彦出身のカフェはすごく多いんです。私はけっこう自由に、勝手にやっていて怒られていましたけど(笑)、独立に対しては応援してくれました。

出会いから始まる

佐藤

お店のエスプレッソマシンは、錦にあったカフェから、行き場を失っていたものを譲っていただいたんです。物件も決まっていない、店をやると腹をくくってもいない時期だったんですけど、その出会いが不思議で。「これがないと店が成り立たないから、やれってことなんだな」と。

川筋

私も、お店を始める前に焙煎機を買っているんです。今ここで買わないとこの焙煎機に会えない、という出会いがあって。買ったってことは「店をやらなきゃ」と(笑)。似ていますね。武器を持つことから始まる、という。

どんな店にしていきたいか

佐藤

気軽にコーヒーを飲めて、テイクアウトでもどんどん出て、イギリスと日本を組み合わせたカフェを、ずっとやりたい。特別な店になりたくないんです。「わざわざ行く」より「そこにあるから行く」くらいの、日常使いをしてほしくて。近代美術館や植物園も近いので、イギリスで好きだった、アートを見た後に寄るギャラリー併設のカフェのような、その空気感がそのまま流れてくる場所になったらいいなと思っています。

B-Side NOTES ― RITARU COFFEE CAMELLIA

鈴木

4月25日、RITARU COFFEEが北7条東3丁目に新店舗「CAMELLIA(カメリア=椿)」をオープンしました。前日のレセプションに、FM NORTH WAVEのDJちゃぼちゃんと行ってきたんです。かつて「椿ギャラリー」として親しまれた築100年以上の建物をリノベーションしていて、店名も、椿色のロゴも、その建物の歴史への敬意から。窓は昭和からの古い窓を残していて、古い建物と高層ビルが見える、今と昔が交差する景色でした。

鈴木

丸山の本店はアンティークの食器ですが、カメリア店はオリジナルの白磁の食器を作っていて。目玉は「カメリアクチュール」という限定のケーキで、職人が一つひとつ仕上げる、工芸品のような一皿でした。再開発が進む北口エリアで、三上社長は、一帯で街を盛り上げていこうと考えていて。独立・新店舗の話をたっぷりした後に行くレセプションとして、タイムリーだなと楽しんできました。

おわりに

鈴木

蔵人 - kuroudo 1974 - は、北2条西13丁目、ハニーN2ビル2階にあります。自家焙煎のコーヒーと、佐藤さん手作りのスイーツを、ぜひ空間ごと味わいに行ってみてください。配信と同時に、番組の雰囲気に合わせたソングリストをSpotifyにアップしています。お届けしたのは映像ディレクターの鈴木謙太郎と、

川筋

枯淡珈琲の川筋愛友でした。ありがとうございました。

※ 読みやすさのため、話し言葉を一部整えています。内容は本編音声にもとづきます。聞き取りづらい一部の固有名詞は、確認のうえ表記しています。